タラ

 冬の料理は鍋物が一番です。一家団欒で鍋を囲む楽しさは格別で、「鱈腹」食べたあとは、「矢鱈」と会話もはずみます。
 タラは北の海の魚ですが、脂質量が少なく、淡白な味の白身魚で、高蛋白、低カロリーの代表的な魚でもあるので、子供さんから御年配の方まで幅広く人気があります。
 東京の市場には、なまでも塩でも、ラウンド(一匹丸のまま)、ドレス(頭と内臓を取ったもの)、フィレー(三枚におろしたもの)と色々の形態で入荷しています。

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 真鱈(マダラ)は全長1mにもなる大きな魚で、今の時期、雄のタラにはシラコ、雌のタラにはマコをもって、重さ10kg以上にもなりますが、大食漢としても有名です。何でも口に入れてしまう所から「出鱈目」の代名詞になったともいわれています。
 他にタラと名の付く魚は、銀タラ(カサゴ目ギンタラ科)、ヒゲダラ(アシロ科)、チゴダラ(チゴダラ科)等がいますが、日本近海のタラ目タラ科の魚はマダラ、スケソウダラ、コマイの三種類です。

 鍋料理がとても合う魚で、サケ同様捨てる所のない魚で、津軽のジャッパ汁、山形のドンガラ汁など郷土料理で有名です。マダラの身は白身でくせがなく、チリ鍋にすると最高です。昔から「タラチリと雪道は後(あと)ほど良い」という言葉がある位で、いくらたべても腹にもたれないし、鍋は後になる程、味に深みが出て、旨い事を指しています。雄の精巣、すなわちシラコは菊子ともタツコとも呼ばれて、ゆがいて紅葉おろし、ポン酢でも鍋物に入れても美味です。