牡蠣

 冬の味覚、牡蠣が築地市場に入荷するのは、毎年10月1日です。寒さが増すごとに、その栄養分であるグリコーゲンが豊富になり旨味が増し、翌年の3月末頃までが食べ頃となります。例年の入荷状況は、岩手県、宮城県の三陸産で始まり、新潟県、三重県、広島県、岡山県と広がっていきます。また、1971年に韓国産、1988年に中国産、1991年にはアメリカ産が輸入されるようになりました。

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 入荷は4月までありますが、この時期にはプランクトンが原因による貝毒発生の危険が生じますので、出荷現場では、万全のため自主検査を施しており、一定以上の数値に達した場合は出荷を停止する取り決めになっています。また、近年の研究でSRSV(小型球形ウィルス)による食中毒が解明されました。このウィルスは、感染すると風邪と同様の症状になりますので、お年寄りや子供は注意が必要です。この他、衛生面では市場内の衛生検査所の都職員が随時抜き打ち検査を卸、仲卸の協力で実施し、その都度適切な指示を与えています。

 生(なま)で良し、鍋で良し、その他様々の用途のあるカキですが、生食であるが故に鮮度、味が良いということにはなりません。生食といっても殻付の物と、パック詰めではその製造過程で大きな違いがあり、殻付は滅菌装置により海水を浄化し、そのプールに数日置き、味の劣化なく食することができますが、パック詰めは塩素を使い滅菌する為、味の劣化は免れません。また、加熱用のパック詰めと剥き身の鮮度の良いものは光沢があり、日持ちも良く、調理後の味は水分を必要以上に含んだパック詰めとは比較になりません。どちらにしても、鮮度が落ちますと、養分が抜け出し、その水分は白濁します。用途に応じて買い揃えるのが賢明と思います。