"柳かれい"と"笹かれい"

質 問 "柳がれい"の標準和名は/"笹がれい"の標準和名は/"柳がれい"と"笹がれい"は同じ魚か

回 答 "柳がれい"と"笹がれい"は、いずれもカレイ科のヤナギムシガレイ(標準和名)のこと。"柳がれい"は主に関東、"笹がれい"は主に関西での呼称。

解 説  

ヤナギムシガレイは北海道南部以南の各地、黄海・渤海(ぼっかい)・東シナ海に分布するか冷夏の魚で、体長30cmになる。200m以浅の砂泥底に生息し、多毛類・甲殻類などを捕食する。産卵期は10月から7月で、北ほど遅い。底曳網で漁獲される。
 平成14年(2002)の東京都中央卸売市場への入荷は57トンで、島根県、福島県、山口県、鳥取県、茨城県などからの出荷が多い。
 ふつう干物に加工される。干物としてカレイ類中もっとも美味で、抱卵魚の生干しは特に美味。干物の最高級品の一つである。
 "若狭(若狭)がれい"とも呼ばれるが、これは若狭地方で取れるムシガレイなどを含めた総称で使われることもあるので注意が必要である。
 "柳がれい"の干物の代用として、ヒレグロ(日本海、銚子以北の大西洋岸に分布、体長45cm)やタイセイヨウヒレグロには、ヤナギムシガレイを"本柳(ほんやなぎ)"と呼んで区別している。しかし、"本柳"のヤナギムシガレイと"○○柳"のヒレグロ・タイセイヨウヒレグロは、無眼側(目のない側、カレイ類はふつう無眼側を上にして店頭に並ぶ)の頭部をみると、簡単に見分けられる。すなわち、ヒレグロとタイセイヨウヒレグロの頭部の無眼側にはいくつかの大きな凹み(粘液腔)(干物ではよく目立つ)があるが、ヤナギムシガレイにはそのような大きな凹みはない(図)。

また、ヤナギムシガレイには、あかがれい・なががれい(山口県萩)、くりのきのはがれい(新潟県出雲崎・能生)、ささがれい(京都府・新潟県)、ほそくち(京都府宮津)、ほそばがれい(福井県)、やなぎ(茨城県水戸・福島県小名浜・東京)など、地方名も多い。


参考文献 日本魚類学会く編) . 1981 . ,日本産魚名大辞典.三省堂,東京,
坂本一男. 1984 . ヤナギムシガレイ. p . 339 . 益田一他く編) . 日本産魚類大図鑑. 東海大学出版会,東京.
東京都中央卸売市場事業部業務課. 2003 .東京都中央卸売市場年報く水産物編) .

(注・提供資料から一部アレンジ)
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