でびら

質 問 “でびら” の標準和名は/でびら”はどんな魚か

回 答
 "でびら" はひらめ科のタマガンゾウビラメ(標準和名)の主に瀬戸内海地方での名称。北海道から南シナ海までの浅海域に生息する小型の魚で、ふつう干物に加工される



解 説
 
タマガンゾウビラメはヒラメ科ガンゾウビラメ属の魚で、北海道から南シナ海まで分布する。主に甲殻類(アミ類、エビ・カニ類など)を捕食するが、魚類、イカ類なども食べる。
体は楕円形で、頭の背縁は目の上方で凹む。鱗は有眼側(目のある側)は櫛鱗(しつりん、後縁に小さい棘のある鱗)で、無眼側は円鱗(後縁に棘がなく、滑らかな鱗)。口は大きく、上顎(主上顎骨、しゅじょうがくこつ)の後端は眼の中央下あるいは更に後方にまで達する。有眼側は淡い黒褐色で、中央が黒色の眼状斑が側線(体側の中央を走る感覚器官で、細い線に見える)の上方に 3 個、下方に 2 個ある。前方の 2 個はほぼ上下対称の位置にある。
産卵期は 3 〜 8 月で、盛期は 5 〜 6 月。瀬戸内海では、満 1 才で全長 7 〜 17cm、2 才で 14 〜 23cm になるが、満 2 才以上のものは極めて少ない。全長 10 〜 17cm のものが多い。全長 10cm ぐらいから成熟しはじめる。
瀬戸内海ではほぼ 1 年中底曳網で捕獲されるが、春から夏が多い。ふつう干物に加工される。岡山県、広島県、愛媛県、香川県などでは本種の "でびら" と呼ばれ、名物である。
タマガンゾウビラメは地方名も多く、瀬戸内海地方の "でびら" のほかに、うすばがれい(福井県)、べた(高知県)、がんぞう(大阪府・山口県)、でべら(広島・山口・香川県)、ひがれい・がん(徳島県)、がんざ・がんぞ(香川県)、こうしょうがれい(愛媛県)、べたがれい(兵庫県)、じんな(広島県)、しろべた(大分県)などがある。


参考文献
尼岡邦夫. 1984. タマガンゾウビラメ. p.332. 益田 一ほか(編). 日本魚類大図鑑. 東海大学出版会, 東京.
瀬戸内海水産開発協議会(編). 1997. 瀬戸内海のさかな. 瀬戸内海水産開発協議会, 神戸
日本魚類学会(編). 1981. 日本産魚名大辞典. 三省堂, 東京. 山田梅芳. 1986. タマガンゾウビラメ. pp. 370-371. 山田梅芳ほか(編). 東シナ海・黄海のさかな. 西海区水産研究所, 長崎

(注・提供資料から一部アレンジ)
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